宇宙観測について考えてみた(前編)
■地球型惑星が発見される
つい先日のニュースで地球型の惑星が発見されるというニュースがあった。
詳細はこちら
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140417-OYT1T50170.html
http://gigazine.net/news/20140418-habitable-earth-sized-planet/
記事によると、宇宙望遠鏡のケプラーによって500光年先の地球型惑星を見つけた、ということだ。そこには生命の源といわれる水もありそうだということだ。もし宇宙人がいたりしたら、などつい考えて、妄想は広がる。
しかしながら、ここでポイントとなるのは500光年先というところだ。文字通り500光年先なんだが、光の速度(光速)で頑張っても僕らが見るのに500年かかるということだ。つまり、僕らが「今」見たと思っている惑星が、実は「500年前」の状態の惑星を見たということになる。つまり過去を見ているわけである。どんなものでも目に光が入ってくることにより、そこに何かがある、ということが判別できるわけで、その光が届くのにも時間がかかる限り、「過去」を見ることしかできないわけである。太陽の光も実は地球に届くまで8分かかるらしく、僕らはどう頑張っても直接的に太陽の「今」をリアルタイムに見ることはできない。そうはいっても、光速はとにかく早いので、僕らが直接目視できる範囲については、非常に微々たる遅延なので生活する分には問題にならない。
地球型惑星に話を戻すと、500年前の過去の状態の惑星を見つけた、ということになる。
■地球型惑星の「今」
すると次に気になってくるのは、発見された惑星の「今」はどうなっているのだろう、ということである。今回の場合は、500年前なので宇宙的時間感覚でいえば、生命が急に発生したり滅びたりするほどの時間ではないと思うが、もし仮に1千万光年先に地球型惑星を発見したとして、さらにそこに生命体らしきものが存在すると分かったとする。しかし、それは残念ながら1千万年前の話である。もしかすると、現在では滅びてしまっているかもしれない。その逆もあるかと思うけど。地球に人類の祖先が誕生してから500万年程度と言われていますし。
■もし惑星でなく違うものを見つけたとしたら
今回は地球型惑星を見つけることができて良かったね、と思うのだが、そうではなくて地球にまで影響がありそうな天体事象を発見したと考えると、とたんに恐ろしくなってくる。例えば、超巨大な恒星の最後となる大爆発とか、ものすごい勢いで拡がるブラックホールとか。あと、まだ人類が気づいていない危機的状況などである。もし、それを観測できたとして、それが起こったのはすでに過去のことなんだよね、ということになると既に地球にまで影響が及んでるじゃん!ということになったりするんだろうか。少し混乱してきたので、次は今の話しを整理してみる。
(つづく)