宇宙や生命について考えたことを書いてみる

宇宙や生命についてのエッセイです。事実に基づき書いているつもりですが、間違い、調査不足だったりすることもあるかと思います。また、筆者の妄想モードの場合は、予めそう書きますのでご了承ください。ゆるい感じで楽しんで頂ければ何よりです。

ダークマターに関する新理論

ダークマターに関する新粒子の提唱
先日、ダークマターに関する新理論が発表された。発表したのは、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の機構長をも務める村山斉さんの研究グループだ。
 詳細はこちら(Kavli IPMU)
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これによると、ダークマターの候補としてSIMP(Strongly Interacting Massive Particle)という粒子を提唱している。この粒子は、湯川秀樹博士が1935年に提唱したパイ中間子によく似た性質を示すということだ。
従来のダークマター理論では、ダークマター同士はお互いにすり抜けるため、相互作用しないとされてきた。しかしながら、今回提唱されたSIMPはパイ中間子と同じように、強い相互作用をするとされている。
このSIMPを使ってダークマターのシミュレーションをすると、実際の観測事実と良く合うそうだ。ダークマターをSIMPとした場合は、銀河の中心部から周辺部にかけてダークマターがなだらかに分布する。これは実際の観測結果に近いとのこと。

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  図.ダークマター分布の比較(引用元:Kavli IPMU)

■カブリ数物連携宇宙研究機構
ところで、このカブリ数物連携宇宙研究機構というところはどんなところなんだろうと疑問が湧いたので早速調べてみた。
世界トップレベル研究拠点プログラムの一つとして、2007年度に設立された。東京大学柏キャンパス内にある。ちなみに、カブリというのは人名だそうで、ノルウェー出身の発明者だ。その方がカブリ財団というのを設立され、いろいろな研究施設に寄付をしている。さて、カブリ数物連携宇宙研究機構の目的は、宇宙への根源的な疑問に答えるために設立された国際的研究機関であるとのこと。世界各国からその道では一流の数学者、物理学者(理論・実験)、天文学者が集まっており、日々研究をしている。
真に宇宙の解明のために作られたような研究機関ですね。それぞれの分野のエキスパートが別々に研究するのではなく、互いに連携・刺激を受けながら自分の研究を極めていく、そんな所が素晴らしいです。
今後も注目していきたいと思います。