宇宙の定番の疑問の一つ「時間とは何か」を考えてみた
「時間とは何か」
これもまた宇宙を語る時によく出てくる疑問の一つである。
考えても考えても答えは出ない。
しかし、分かっていることからいろいろ想像することはできる。
■相対性理論
相対性理論によると時間は伸び縮みするものである。
この辺りを書き出すとどんどん専門的になっていくので割愛するが、とにかく光速に近づけば近づくほど、時間は相対的にゆっくり流れることになる。
(ちなみに、僕のような素人には、次のNewton別冊とかが分かりやすい。)
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最高速度が光速で移動できる乗物に乗り込んだならば、乗物の外の時間はゆっくりに見えるはずである。その乗り物に乗っている人をAさんとし、その乗り物を外から観測している人をBさんとするならば、Aさんにとっての1秒はBさんから見ると1秒以上になる。すなわち、Aさんが自分の時計で1秒経過した時に手を挙げたとすると、BさんがAさんが手を挙げたのを見るのはBさんの時計で1秒以上経過してからである(というようにBさんからは見える)。乗物が光速に近づけば近づくほど、その差は大きくなり、ついには無限大になるはずである。
■それでも時間は伸び縮みする
この「時間が伸び縮みする」ということが頭では解っても普段の感覚からするとなかなかしっくりこない。実体験を伴わないことを肌感覚で理解するのはなかなか難しいものです。しかしながら、いろいろ考えるうちに、「!」となることもあると思います。
さて、ここで思考実験だが、時間に粘度があると考えてみたらどうだろうか。粘度というのは、粘り気具合を示すパラメータだ。例えば、水と油を比較すると油の方が流れにくい。油のほうが水より粘度が高いという。
時間を水のようなものだと考えてみる。
水に片栗粉を入れていく状況を想像してみると、片栗粉を入れていくに従ってどんどん流れにくくなっていく。粘度が徐々に高くなっていくわけだ。
同じように、時間に粘度があると仮定する。粘度が高い場合、時間がゆっくり進むとする。逆に粘度が低い場合、時間が速く進む。最も粘度が高い状態は時間がほぼ止まっている状態となる。
宇宙の始まりにはインフレーションがあり、続けてビックバンがあったとされる。この時、空間と共にに時間が始まったとする説がかなり支持されている。4次元時空として宇宙が膨張を始めたとする説である。インフレーションでは、ある一瞬に、ある1点が一気に膨張したと考えられている。この時、時間も始まったとするならば、時間の進み方は、最も早かったと考える。すなわち、時間の粘度は最も低かった。その後、時間の粘度は徐々に高くなっていき、時間はゆっくり進むことになる。そして現在に至る。
本ブログの前半で書いたように時間は伸び縮みするので、相対的に考えると、現在の1秒は、インフレーション時の1秒の何万倍、何億倍にあたるのではないだろうか。つまり、現在の時間感覚から見ると、インフレーションは一瞬だったと言える。これが、何倍にあたるか分かれば、現在が宇宙が始まってから終わりまでのどの辺りにいるのがわかるのではないかという気もしてくる。
さて、今後、どうなるかということだが、徐々に時間の粘度は高くなっていき、ますます時間はゆっくり流れるようになるのではないだろうか。宇宙の最後は時間がほぼ止まった状態になるのではないか。ビッグフリーズ、ビッグチリといった言葉も最近聞くが、時間については特に触れられていないように思う。
まとめると、宇宙の始まりの時が最も時間の粘度が低く時間は速く流れた。そこから後は徐々に粘度が高くなり、最終的に粘度が最も高くなった時に時間は最もゆっくりになる(もしくは止まる)。現在はその途中の段階にある。ということになる。粘度をパラメータとして表すことにより、現在が宇宙の始まりから終わりのどの辺りかを計算できないだろうか、ということである。
今回はかなり妄想モードでしたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
(おわり)