宇宙や生命について考えたことを書いてみる

宇宙や生命についてのエッセイです。事実に基づき書いているつもりですが、間違い、調査不足だったりすることもあるかと思います。また、筆者の妄想モードの場合は、予めそう書きますのでご了承ください。ゆるい感じで楽しんで頂ければ何よりです。

地球外文明の数について考えてみる(続)

 改めて地球外文明数について少し考えてみた。
過去にドレイクの方程式について書いたブログはこちら

以下は上記ブログからの抜粋になる。

ドレイクの方程式は、単純な掛け算で表される。少しパラメータの数が多いだけだ。
様々なパラメータを掛け合わせることで、最終的に、銀河系に存在する通信可能な地球外文明の数(N)が求められる。

 

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  ドレイクの方程式

N  :我々の銀河系に存在する通信可能な地球外文明の数
R* :我々の銀河系で恒星が形成される速さ(銀河系内で年間当たりに発生する星の数)
fp :惑星系を有する恒星の割合
ne :ひとつの恒星系で生命の存在が可能となる範囲にある惑星の平均数
fl :上記の惑星で生命が実際に発生する割合
fi :発生した生命が知的生命体にまで進化する割合
fc :その知的生命体が星間通信を行う割合
L  :星間通信を行うような文明の推定存続期間

この式を提案したドレイク博士自身は、どういう値を入れているのか気になっていたところ、コズミックフロントネクスト(NHK BS、H28年4月7日放送)の中で、ドレイク博士自らが計算していた。
http://www.nhk.or.jp/cosmic/broadcast/160407.html

博士が入れていた値は以下のようなものだった。

R* :20
fp :0.5
ne :2
fl :1
fi :1
fc :1
L  :1000

これらの値を入れると、銀河系内の地球外文明の数(N)20,000が出てくる。

 

 

 ここで改めて各パラメータの値を具体的に見てみる。
すると、
fi :1
というのが気になってくる。ここが1になるということはすなわち、ある惑星に生命が発生したら必ず知的生命体にまで進化することになる。地球においてはそうかもしれないが、果たして他の惑星においても当てはまるのだろうか。アメーバのような原始生命体が発生したとしても、あまりに過酷な環境であればその生命体は知的生命体にまで進化できるだろうか。近くの恒星からの熱、放射線やもしくは惑星そのものが持っている資源の枯渇、また隕石の衝突など様々な阻害要因が考えられる。

 また、
L  :1000
についてはどうだろうか。この値は、星間通信を行うような文明の推定存続期間が1000年であることを示している。星間通信を行うような文明になったとしても平均1000年程度で滅んでしまうとドレイク博士は考えているのかもしれない。
星間通信を行えるだけの技術力を持っていながら、実際には行わないということもあるだろう。自らの意志で星間通信を行わない生命体もいるかもしれない。生前のホーキング博士も言っていた。むやみに宇宙へ向かって発信すべきでないと。相手が何を考え、どういう行動を取るか分からないにも関わらずこちらから情報を発信するのは危険であると博士は考えていたようだ。ネット上で誰が見ているのか分からないのに自分の居場所を知らせるのは危険だ。それと同様かもしれない。そんな理由で星間通信を行わない文明もあるかもしれない。

上記2点を鑑みてfiとLのパラメータ値を以下のように変えて計算してみる。
fi :0.01
L  :10000

 これらの値を入れて、銀河系内の地球外文明の数(N)を計算してみると2,000となった。ドレイク博士自身の計算より1桁小さくなった。
この値を大きいと見るか、小さいと見るか。1桁小さくなったといっても2,000である。地球以外にも文明があるのではないだろうか。
ホーキング博士の研究により宇宙や地球外知的生命体の謎の解明が大きく進んだことは間違いない。今後も第2、第3のホーキングが生まれ、宇宙の解明が進んでいくだろう。

(追記)
2018年3月14日、スティーブン・ホーキング博士が亡くなりました。ここに謹んで哀悼の意を表します。