【ブラックホールの番です】
ブラックホールについての解明が進んでいる。
まずはこれでしょう。
ブラックホールの直接観測
画像.銀河M87中心の超大質量ブラックホールシャドウ
(出展:EHT Collaboration)
引用元:
https://www.nao.ac.jp/news/science/2019/20190410-eht.html
今年(2019年)4月にブラックホールが直接観測されたと発表された。
えっ、そもそもブラックホールって写真撮れるの?と思ったが、実際の画像を見て納得した。
この辺りの解説をしたいわけではないので、他の方が分かりやすく書かれている記事等を参照下さい。
次はこれ。
人類初の重力波の観測は、発表が2016年2月だった。LIGOが観測した。
その時に書いたブログは下記参照。
その後も続々と重力波が観測されている。詳しくはLIGOやVirgoの記事参照。
図.LIGOとVirgoによる重力波イベントカタログ(ブラックホール同士の合体10件、中性子同士の合体1件)
(出展:LIGO/VIrgo/Northwestern Univ./Frank Elavsky)
引用元:
https://www.ligo.caltech.edu/image/ligo20181203a
ここに出ている重力波はブラックホール同士の合体によるものもあるが、1件は別のものも含まれている。
中性子星同士の合体によるものである。
中性子星もブラックホールほどではないが、密度が極端に大きい物体だ。1立方cmあたりの重さが10億トンとも言われている。
これを見ると、重力波は数か月に一度のペースで観測されている。
これだけ頻繁に発生しているとは思わなかった。宇宙規模の時間軸から見たら、かなり頻繁に発生しているとも云える。
この宇宙はブラックホールや中性子星だらけで、それらは頻繁に合体していると云えるだろう。
こんな発表もあった。
図.天の川銀河から広がるフェルミ・バブルのイラスト
(出展:ILLUSTRATION BY NASA'S GODDARD SPACE FLIGHT CENTER)
引用元:
アンドロメダ銀河が2つの巨大な「泡」を噴出? | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
風船のような2つのふくらみが僕らの天の川銀河を挟み込んでいるように見える。
この泡をフェルミ・バブルと呼び、ガンマ線を放っているようだ。
天の川銀河の中心にあるとされているブラックホールが吐き出すジェットによるものではないかとの仮説があるようだ。
さらにこんな発表もあった。
天の川銀河の中心にあるブラックホールが2時間半の間に通常の75倍も明るくなった。
Here's a timelapse of images over 2.5 hr from May from @keckobservatory of the supermassive black hole Sgr A*. The black hole is always variable, but this was the brightest we've seen in the infrared so far. It was probably even brighter before we started observing that night! pic.twitter.com/MwXioZ7twV
— Tuan Do (@quantumpenguin) August 11, 2019
こうして見てきたようにブラックホールが旬である。ここ数年で一気にブラックホールの解明が進んだとも言える。
昔は、想像上のものでしかなかったブラックホール。その暗黒のベールがはがされつつある。
ちなみに、今回のブログタイトルはあのドラマを参考にただ書きたかっただけです。すみません。
さて、ブラックホールについてのニュースを色々見てきたが、まだ謎は残っている。
というか、分かってきた事からさらなる謎が生まれてくる。
少しここにまとめておきたい。
【ブラックホールに残された謎】
・ブラックホールの全数は?(現時点およびこれまでに出来た累積数)
・ブラックホールはいつ生まれるのか?(宇宙の起源・成長過程のどのあたりで生まれるのか?また生まれる数に違いはあるのか?)
・ブラックホール単体の成長過程とその最後(ブラックホールは必ず合体するのか、最後には超巨大なひとつになるのか?)
・それぞれの銀河の中心にはかならずブラックホールがあるのか?
・ブラックホールの種類(軽いもの重いもの)とその違いはなぜあるのか?
等々
書いていけばきりがないのでこの辺りにしておきます。
こうしてみると、使い古された言葉だが、ニュートンのあの有名な言葉が思い出される。
”私は、海岸で遊んでいる子供のようなもの。
ときに、なめらかな小石を見つけたり、きれいな貝を見つけたりして、はしゃいでいる存在に過ぎない。
目の前には手も触れられていない真理の大海原が横たわっているというのに…”