宇宙や生命について考えたことを書いてみる

宇宙や生命についてのエッセイです。事実に基づき書いているつもりですが、間違い、調査不足だったりすることもあるかと思います。また、筆者の妄想モードの場合は、予めそう書きますのでご了承ください。ゆるい感じで楽しんで頂ければ何よりです。

ダークな話(後編)

【前回のブログ】
ダークな話(前編)↓
http://sohsan.hatenablog.com/entry/2014/07/19/082151

■次はダークエネルギー
ダークマターが提唱されてから数十年後、次に登場するのが、「ダークエネルギー」である。
宇宙の膨張速度が遠方にある銀河ほどより速いスピードで離れて行っていることが観測された。
詳細はこちら↓
http://www.kek.jp/ja/NewsRoom/Highlights/20111216160000/
http://d.hatena.ne.jp/active_galactic/20111014/1318541939

少し面白いのは、世界で2つのグループが異なる手法で観測したのだが、どちらもほぼ同時期に同じ観測結果に行き着きついたということだ。その2つのグループは、どちらも1998年にその研究結果を発表した。
さて、地球から見て遠くにある銀河ほど速いスピードで遠ざかっているということは、宇宙は加速度的に膨張速度が速くなっている、ということになる。これもまた、物理法則に照らし合わせるとつじつまが合わない。物質同士は互いの重力で引き合っている。離れていくということは、重力と逆方向に働く力(斥力という)が重力より強く働いていることになる。これが、ダークエネルギーである。これによって、遠くにある銀河ほど、間に存在するダークエネルギーがより大きくなり、離れる速度がより大きくなることの説明がつく。
ダークエネルギーは1998年、宇宙論研究者マイケル・ターナーによって提唱された。

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■ダーク2兄弟
このダーク2兄弟(と勝手に呼ぶことにする)は、共通部もあれば異なる部分もある。
共通点として、ダークマターダークエネルギー共に我々の目に見えない。もっというとどんな機器を使用してもその正体を直接観測することはできていない。その正体は明らかになっておらず、宇宙物理学者の中でも推論の域を出ていない。ダークマターは未知の素粒子でないかと言われているのに対し、ダークエネルギーは物質でもない。真空から湧き出てくるエネルギーとも云われている。
僕が驚くのは、観測できないにも関わらず、それを発見できたという事実に対してである。これはもう、人類史上最大の「発見」だと言っても過言でないと思う。ちなみに、僕が思う最大の「発明」はお金である。
ダークマターの「引き合う力」とダークエネルギーの「反発し合う力」、方向は違えどその根本は同じものなのではないだろうか。実際、ダークエネルギーがいつかは物質に変化するのではないか、と予想する科学者もいる。気の遠くなるほど先の事だとは思うが。その時、宇宙、僕らの銀河系、そして太陽系はどうなっているのだろうか。

NHK地上波「宇宙白熱教室~ローレンス・クラウス教授~」を参考にしました)
(おわり)

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