見えない物質ダークマターを観測する?!
XMASSと呼ばれる施設がある。エックスマスと読む。(クリスマスではないようだ)これは宇宙にダークマターが存在する証拠を見つけようというものだ。ダークマターとは光を出さない(見えない)物質という意味で、直接観測することができない。宇宙にある物質のうち85%がダークマターであると言われている。
(参考)ダークな話(前編) - 宇宙や生命について考えたことを書いてみる
図.XMASS検出器(引用元:東京大学宇宙線研究所付属神岡宇宙素粒子研究施設)
XMASSがあるのは、岐阜県飛騨町の神岡鉱山の地下1000メートルだ。神岡鉱山は、ニュートリノの検出で有名になったカミオカンデや重力波検出装置「かぐら(KAGRA)」がある場所だ。ちなみに、現在は、スーパーカミオカンデもあり、その次の構想としてハイパーカミオカンデというのもあるらしい。
(参考)重力について考えてみた(その2) - 宇宙や生命について考えたことを書いてみる
ダークマターを直接観測することはできないが、その痕跡を間接的に観測しようとしている。原理について詳しく書くつもりはないが、ちょっとだけ書くと、800トンの水を満たしたタンクの中に642本の光電子管の入った検出器が入っている。光電子管の中には液体キセノンが満たされており、その液体キセノンにダークマターがぶつかると光が出る。その光を観測することによって、ダークマターを検出しようという原理だ。
XMASSは2013年秋から本格的にダークマター観測を始めている。近いうちに朗報があるとよいですね。
(おわり)
(追記)
神岡の施設のサイトを見ていたら、「NEWAGE」というダークマターのやってくる方向を直接探索するプロジェクトの紹介もありました。もうここまできているんですね。
東京大学宇宙線研究所付属神岡宇宙素粒子研究施設
また、途中に書いたハイパーカミオカンデ構想のサイトはこちら。