宇宙誕生の謎にせまるには?ヒントはどこにあるのか
■生命の誕生をひも解くには
生命の誕生を調べるには素粒子の話を避けて通れないようで、カブリ数物連携宇宙研究機構の機構長でもある村山斉先生の本を読んでいる。村山先生は素粒子物理学の第一人者である。
この本は、素人の僕にも解りやすい。素粒子物理学の基礎から丁寧に説明されていて、論理の展開も順を追っていて飛躍がなくストレスなく読み進められる。文章もどちらかというとやさしい語り口調で講演を聞いているような気分になってくる。知的好奇心を満たしてくれる一冊であることは間違いない。
■物質と反物質
さて、この本の中には、物質と反物質の話が出てくる。反物質は既に発見されていて、1932年に宇宙線の中から発見されている。また、人工的にも作られていて、1933年に電子の反物質である陽電子が作られている。反物質についての詳細は読んでいただければ分かるので割愛する。
また、次のようなことも書かれている。
ポイントのみ書くと、
・物質が作られるとき、必ずセットで反物質も作られる。これを対生成という。
・物質と反物質が出会うと共に消滅する。これを対消滅という。対消滅のあとにはエネルギーが残る。
・宇宙の始まりには、物質と反物質がそれぞれ10億個程度つくられた。
・なんらかの原因により10億個の反物質のうちの1個が物質に変わった。そのため、2個の物質が残った。それ以外は対消滅した。
・残った2個の物質が、星や銀河の素となった。それが今の銀河になり、我々人間になった。
なんと壮大なストーリーだと驚かずにいられない。
ここから、妄想コーナーになるが、
宇宙の始まりに反物質→物質という現象があったのであれば、それとは逆に物質→反物質という現象もあったのではないか。もっと考えを進めると、なんらかの拍子に物質と反物質の入替が起こったのではないか。つまりこういうことだ。我々の宇宙は「物質」のみで出来ている。それとは別に、「反物質」のみでできた宇宙が別にあるのではないか。いわゆる、パラレルワールドである。
こう考えると、宇宙は2つあるということになる。それぞれの宇宙は相手の鏡のようなものである。それぞれの世界は独立して存在するために互いに「行き来」することはできない。これはあくまでも、3次元的に「行き来」できないということで、もしかすると「行き来」できるもの(ある特定の素粒子?)もあるかもしれない。
世界が2つあるということで思い出すのは、陰陽のマークだ。黒と白(陰と陽)の2種類が絶妙に組み合わさり、一つの形(円)を作り上げている。
図.陰陽対極図
さて、物質と反物質は出会うと必ず対消滅する。ということは、2つの世界が出会った時、すべては消滅してしまうのだろうか。