宇宙や生命について考えたことを書いてみる

宇宙や生命についてのエッセイです。事実に基づき書いているつもりですが、間違い、調査不足だったりすることもあるかと思います。また、筆者の妄想モードの場合は、予めそう書きますのでご了承ください。ゆるい感じで楽しんで頂ければ何よりです。

生物の定義について考えてみた

■「生物」とは何か。
「生物」とは何かを考えてみた。ちなみに「生命」ではない。「生物」と「生命」の違いについては今回のポイントではないのでまたの機会にでも。今回は「生物」の定義についてである。
生物の定義について昔教わったかもしれないが、すっかり忘れているのと、ひと昔前なのでその間に新たな発見があり定義も変わっているかもしれないので、色々調べてみた。すると、現在では以下の4つを定義として上げているところが多いようである。

1.外部との明確な境界があること・・・(細胞)
2.外部から物質を取り入れ内部で化学反応を行うこと・・・(代謝
3.自己複製すること・・・(遺伝子、遺伝情報)
4.自身の内部の環境を維持すること・・・(恒常性、自己修復)

各条件の後ろに()書きで付けたのは、その条件を表すキーワードである。
この4つ以外の条件を上げるとするならば、生長(成長)することや、外部環境の変化に合わせて進化していくこともあると思う。ここでいう進化は、個々の個体が進化するという意味ではなく、何世代も子孫を作るうちに起こる変化のことである。
なので、5番目の条件として、

5.生長・成長や進化すること

を敢えて上げてみたい。

何年か前に、ドラえもんが生物であるか否かの論争があったらしい。きっかけは2013年2月に実施されたとある中学入試の問題だった。

「『ドラえもん』が生物として認められることはできないことを理由をあげて説明せよ。」

という趣旨の問題が出題されたのに端を発し、ネット上でも様々な議論が展開された。
これもよくよく問題の背景を調べてみると、その問題はその前段で生物の定義がいくつか上げられていて、それを引用して生物でないことを説明すればよい問題であったようだ。
この問題の解答だが、「ドラえもんは成長しないし、また子を作らないため生物ではない。」という趣旨を記載すれば正解だったようだ。


■どの条件が最も生物の核心をついているか
さて、5つの条件のうち、どれが最も生物を生物たらしめる条件なのか。
改めて5つ並べてみる。

1.外部との明確な境界があること・・・(細胞)
2.外部から物質を取り入れ内部で化学反応を行うこと・・・(代謝
3.自己複製すること・・・(遺伝子、遺伝情報)
4.自身の内部の環境を維持すること・・・(恒常性、自己修復)
5.生長・成長や進化すること・・・(成長、進化)

僕が思うに3番の「遺伝情報を持っていて自己複製すること」が最も核心をついているのではないかと考えている。
1番の条件は、生物の条件というよりある一つの物体であるための条件であるし、2、4、5番の条件は、仮にその条件を満たさなかったとしても生物であることはあり得る。細かく書くと長くなりそうなので割愛する。

3番の条件をさらに突き詰めると「遺伝情報を持っていること」が核心ではないかと思う。
生物の条件を端的に一言でいうならば、

・遺伝情報を持っていること

だと言える。シンプルで分かりやすくないだろうか。

ところで、地球上の生物の場合、この遺伝情報をどこに持っているかというと、遺伝子すなわちDNA(注1)である。よくよく考えてみると遺伝情報を保持するためにDNAは必須なのだろうか。DNA以外の状態で遺伝情報を持つことはできないのだろうか。
ちなみに、ヒトのDNAの情報量はどれくらいだろうか。ヒトのDNAに使われる塩基は4種類あり、全部で30億塩基対と言われている。これを2進数で計算すると、750Mbyteとなる。CD-ROM1枚に入る情報量である。
地球上の生物は全てDNAを持っている。もし、DNA以外の形で遺伝情報をもつものがいたとするならば、それは生物なのかそうでないのか。もしかすると、広い宇宙の中には、DNA以外何らかの状態で遺伝情報を持ったものがいるかもしれないと考えると怖いような楽しいような気がする。

 

(注1)厳密に言うと、遺伝子とDNAは別物である。DNAの中の一部に遺伝子がある。
以下に言葉の定義を整理したものを記載する。
[言葉の定義]
染色体:DNAが巻き付いた棒状の固まり。細胞の中にある。
DNA:デオキシリボ核酸という物質。Deoxyribo nucleic acidの略。二重らせん構造をとる。
遺伝子:DNAの中で、遺伝情報をもっている部分。
遺伝情報:生物をつくるための設計図のような情報そのもののこと。
ゲノム:遺伝情報の全体。遺伝子が持っている情報に着目した言葉。