他の星から「地球観測」していたら?(後編)
【前回のブログ】
http://sohsan.hatenablog.com/entry/2014/05/18/103016
■他の星の「SETI@home」
前回はSETI@homeについて書いた。さて、ここで発想を逆にしてみて、もし他の星で同じようなことをしていたら、地球に生命体がいることを発見できるのか、ということを考えてみた。
■電磁波技術の発展
電磁波利用の歴史を簡単に振り返ってみたい。地球上で無線技術が発明され、それが1対1通信実験に使われ出し、ラジオ、テレビ放送として利用され、次に携帯電話にも利用されるようになってきた。
他の星でこの電磁波をずっと拾い続けているとすると、地球で使用されたその順番通りに観測されることになる。
携帯電波の可視化(引用元:Gigazine)
■地球からの電磁波はどこまで届いているか
しかし、無線が使われ出してからまだ100年あまりしか経っていない。期間が短すぎるのである。地球から宇宙に向かって電磁波が漏れ出してからまだ100年しか経っていないといえる。(ちなみに、電磁波のスピードは光と同じ、秒速30万kmである。)100光年といえば、かなりの距離になるとは思うが、なんと我々天の川銀河の直径は100,000光年である。100光年はそのわずか0.1%に過ぎない。天の川銀河の直径を100mとするならば、100光年はわずか0.1mである。広い銀河の中でそんな近くにある程度の科学水準を持った生命体が存在するとは考えにくい。もし存在するのであれば、天の川銀河は知的生命体が密集していることになってしまう。天の川銀河に知的生命体がいてかつ我々と通信可能な惑星の数はたった1個(注:他銀河も含む宇宙全体では780億個)という計算もあるようだ。
参考:ドレイクの方程式(※2つ目・3つ目のサイトは自分で計算できる)
http://wired.jp/2012/08/30/are-we-alone/
http://www.bbc.com/future/story/20120821-how-many-alien-worlds-exist
http://keisan.casio.jp/exec/user/1225113925
ちなみに我々の天の川銀河から最も近いとされているアンドロメダ銀河は地球から240万光年も離れたところにある。他の星で地球から届く電磁波を捉えようとしても、まだまだ電磁波が届くのはまだまだ先である。
■まとめ
仮に天の川銀河の中に地球以外の知的生命体がいるとする。その星に地球の電磁波が届くのにあと何年かかるだろうか。
地球から発せられた100年前の電磁波が天の側銀河すべてに行き渡るまでにあと99,900年(9.99万年)かかるわけである。地球上に人類の祖先が生まれてから数百万年と言われている。しかしながら宇宙に電磁波を出すようになってたかだか100年である。誰かに気づいてもらうにはまだまだだろう。やはりこちらから見つけるしかないのだろうか。人類が存在している間に見つかるのかな。
(おわり)