宇宙や生命について考えたことを書いてみる

宇宙や生命についてのエッセイです。事実に基づき書いているつもりですが、間違い、調査不足だったりすることもあるかと思います。また、筆者の妄想モードの場合は、予めそう書きますのでご了承ください。ゆるい感じで楽しんで頂ければ何よりです。

人工知能について考えてみる(その1)※不定期ネタ

■将棋電王戦の話
ここ数年、注目している話題の一つに将棋電王戦がある。人間のプロ棋士とコンピュータ将棋のプログラムが本気で戦うイベントである。これまでは人間側の負け越しのようで、将棋連盟も本気を出し、事前の研究をしっかりやって対策を考え、気力も根性もある若手棋士中心のメンバ選抜をし、背水の陣で臨んでいるようだ。

■簡単に将棋の説明
将棋は9×9の盤面を使って、互いに8種類20枚の駒を使用するゲームだ。どちらかの玉を先に取った(厳密にいうと取る直前の「詰み」状態にすればよい)方が勝ちとなる。引き分けになる場合もある。長ったらしく云うと、「二人零和有限確定完全情報ゲーム」というカテゴリになる。

■将棋プログラムも人工知能
さて、将棋プログラムの方だが、こちらは事前にプログラム同士のトーナメントがあって、そこを勝ち抜いてきた上位5つのプログラムが出場する。このトーナメントも毎年開かれ、年ごとに強いプログラムは異なる。一年経つとかなりの進化を遂げるとのことだ。
ここで云いたいのは、将棋プログラムもある種の人工知能だということだ。ある特定の条件に従って、最善の手を計算する。人間の「読み」をある意味ものすごいスピードでシミュレーションしている。
ここでのポイントは、シミュレーションするにあたってのルールが明確になっているということである。例えば、初めに指す初手について、先手側の指せる手のパターンは有限である。また、その次の後手の手も有限である。膨大な数かもしれないが、順番に指していく限り、全てのパターンを予測できることになる。イメージとしてはどんどん下に分岐パターンが拡がっていく感じである。上に伸びていくなら樹形図である。
そうであるなら、将棋プログラムでそのパターンを予め全部計算しておけばよいという話になる。

■コンピュータの計算能力
理論上は先に書いた通りなのだが、コンピュータの計算能力には限界がある。現在は早いものだとコンピュータを並列に並べてつなぐことにより、1秒間に何億手も読むらしいが、それでも10の220乗とも言われている指し手全パターンを読むには、天文学的な時間がかかってしまう。

もっと少ないパターンならどうか?
ちなみに、○×ゲーム(三目並べ)というのがる。3×3のマスに○と×を交互に書いていって、縦横ななめどこか1列並んだほうが勝ちというものである。パターン数が小さければ、コンピュータで全パターン計算することは容易だ。ちなみに、互いに最善をつくせば引き分けになる。また、6×6盤面のオセロの場合、後手が必ず勝つパターンがあるという結論が出ている。不思議なもので、これが通常の8×8盤面のオセロになるとまだ結論が出ていないらしい。この辺りが、現在のコンピュータ性能の限界といったところだろう。また、動物将棋というのもある。こちらについての結論は知らない。

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   図.動物将棋

■コンピュータの仕組み(アーキテクチャ)を変えればよい?
現在のコンピュータはノイマン型と言われるアーキテクチャである。これに対し、量子コンピュータというものが研究されている。その名の通り量子を利用するものだ。ここでは本題ではないので詳しく書かない。とにかく、量子コンピュータであれば桁違いの計算量が期待できるので一気に計算スピードがあがる。ただし、研究中の量子コンピュータはそれほど長い時間動かすことができないらしい。技術の進化に期待したい。

■コンピュータでどこまでシミュレーションできるのか?
ここからさらに妄想を進めると、量子コンピュータを凌駕するような新しいアーキテクチャのコンピュータが出てきたら計算量はさらにアップするということだ。将棋の全パターン解明もできるようになるかも知れない。
ここまで考えてはたと気づくことに、この世界はあるルールに基づいて構築されているということだ。ある決まった法則(物理や化学)に則って宇宙は構築されている。例えば、地球生命のDNAは特定の方向の螺旋であるし、ある特定の同位体だけが安定して存在することができる。
要は、驚異的な計算能力を誇るコンピュータ(既にコンピュータではないかもしれない)があるとするなら、地球をもシミュレーションできるということにならないだろうか。ここから少し怖い妄想が湧いてくる。今、僕らが存在しているのもあるシミュレーションの一部ではないだろうかということだ。
(終わり)

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