宇宙や生命について考えたことを書いてみる

宇宙や生命についてのエッセイです。事実に基づき書いているつもりですが、間違い、調査不足だったりすることもあるかと思います。また、筆者の妄想モードの場合は、予めそう書きますのでご了承ください。ゆるい感じで楽しんで頂ければ何よりです。

太陽系の惑星等の写真が続々と!(その2)

前回は冥王星の写真を紹介した。次はこれにしてみます。
現在、火星探査車キュリオシティが、火星表面を走り回り、様々なデータを収集してくれている。
キュリオシティは2012年8月6日に火星表面に降ろされたローバーである。

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(写真)マーズ・サイエンス・ラボラトリー(愛称:キュリオシティ)(引用元:NASA/JPL

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(写真)火星表面(引用元:NASA/JPL、編集後のものはTOCANA)

火星に関しては、興味深い事実が、NASAから公表されている。
(リンク先:月探査情報ステーションブログ)

キュリオシティがメタン濃度の急増を発見、生命の兆候か? | 月探査情報ステーションブログ

 

(リンク先:NASAのプレスリリース)

NASA Rover Finds Active, Ancient Organic Chemistry on Mars | NASA

 

火星に有機物があったということだ。
また、つい先日、火星に液体の水が存在する証拠があることががNASAの緊急記者会見で公表された。
(リンク先:Engadget日本版)

japanese.engadget.com

 

(リンク先:NASAのプレスリリース)

NASA Confirms Evidence That Liquid Water Flows on Today’s Mars | NASA

 

どちらもすごい内容である。前者の有機物検出について、さらっと書いたが、実は驚くべきことである。約1年前のリリースだが、その時は自分自身それほど気にしていなかった。今まで地球以外に生命の源となる有機物は無いと思っていただけに、それがお隣の惑星にあったとは驚きだ。そして、今回の液体の水が少なからず存在するという事実(の証拠)。ここからたどり着く結論は何か?
#以下、筆者の妄想になります、ご注意願います。
この2つの事実、すなわち「火星の岩石から有機物検出」と「火星には液体の水が存在する」、から導き出される次なる発見は何か?
「火星における生命(もしくはその化石)の発見」ではないだろうか。さらに、その公表時期は1年以内(2016年末まで)と推測する。
NASAによる「火星の岩石から有機物検出」の公表は2014年12月16日。「火星には液体の水が存在する」の公表は2015年9月29日。この間隔でいくならば、次は約1年後と推測した。さて、この推測は当たるのだろうか。遅くとも1年後に結果は分かる。そわそわしながら待ってみたい。
(リンク先:NASAのキュリオシティのサイト)

Mars Science Laboratory - Curiosity | NASA
(リンク先:キュリオシティ・火星探査車の記録)

www.imart.co.jp
(続きは未定)

 

太陽系の惑星等の写真が続々と!(その1)

太陽系へ放たれた人工衛星達から続々と鮮明な写真が届いている。
まずはニューホライズンズ。
ニューホライズンがどこへ向かっているかはこの記事参照。

はやぶさ2(その2) - 宇宙や生命について考えたことを書いてみる
ニューホライズンズは、冥王星やその衛星の鮮明な写真を送ってきてくれている。

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     (写真)冥王星(引用元:NASA
下の写真ではガスが青く写っている。幻想的ですね。これは、窒素やメタンのガスだと推定されている。少し冥王星のことに触れてみる。冥王星の直径は月の3分の2ほど。2006年に分類上、惑星から準惑星に格下げされてしまった。その年にニューホライズンズも打ち上げられており、打ち上げ後に冥王星準惑星になったのも何だか皮肉なものだ。
惑星に分類されるには、次の3つの条件を満たしていることが必要だ。
(a)太陽の周りを回る
(b)十分大きな質量を持っており、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有する
(c)その軌道から他の天体を掃き散らしてしまいそれだけが際だって目立つようになっている
冥王星はこの内、3つ目の条件を満たしていない。
冥王星はエッジワース・カイパーベルトという小天体域に位置している。このエリアは、彗星の生まれ故郷だ。

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     (図)エッジワース・カイパーベルト(引用元:宇宙のとびら-net、学研プラス)

ニューホライズンズは冥王星の衛星の詳細な写真も撮っている。

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     (写真)衛星カロン(引用元:NASA
カロン冥王星の衛星5つのうち、最も大きなものだ。地球と月の関係と比較すると、冥王星カロンの関係はかなり異なる。カロンの直径は冥王星の半分程(月の3分の1ほど)だ。冥王星の地表から見るとカロンはかなり大きく見えるだろう。月の大きさにみなれた地球人からすると、恐怖を感じるほどの大きさかもしれない。

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     (図)地球と冥王星カロンの比較(引用元:Engadget日本版)
さて、ニューホライズンズの今後についてだが、冥王星の探査が完了した後は、エッジワース・カイパーベルト内の太陽系外縁天体を観測する予定になている。第一候補として選定されたのは2014 MU69。2019年1月1日に到着する予定である。さらにその後のことだが、カイパーベルトでの最終探査が終わる2020年頃に、ニューホライズンズへ地球外知的生命体へ宛てたデジタルメッセージを送信しようというプロジェクト「ONE EARTH」が発足している。
(続きは未定)

 

油井宇宙飛行士のtwitterがいろいろスゴい!!

国際宇宙ステーションに滞在して約1ヶ月が過ぎた油井(ゆい)宇宙飛行士。その間には日本の補給機「こうのとり」の結合や最近ではロシアのクルー合流とか様々なことがありました。今日は油井さんにスポットを当ててみたいと思います。
まずは、油井さんも写っているNASA公認の国際宇宙ステーションISS)第45次長期滞在クルーのオフィシャルポスターはこれ。

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    ポスター写真(引用元:NASA
NASAもなかなかお茶目?ですよね。こういった遊び心とかONとOFFの切り替えといったことが実は大切なのかもしれません。
さて、ISSに滞在中の油井さんですが、防衛大学卒でその後航空自衛隊へ入隊し、F-15のパイロットだったそう。小学校の卒業文集にも「将来火星に行く」と書いていたとか。映画「ライトスタッフ」を観て、自分も一念発起して、宇宙飛行士になる夢を叶えようと思ったそうです。
油井さんはtwitterもやっていて、日々つぶやきをアップしていますので、いくつか面白いものを見ていきたいと思います。

2015年8月24日

・「こうのとり」とのドッキングに成功!補給物質も無事に届いて一安心でした。

2015年8月22日

・日本にも大きなダメージをもたらした台風15号。油井さんのやさしさが伝わってくるコメントです。

2015年8月16日

・この写真ですが、こんなに高精細に撮れるものなんですね。驚きました。800mm望遠レンズで撮影した八戸周辺です。twitterのメッセージを読んでリアルタイムに反応してくれるやさしさにも驚きです。地上にいる不特定多数の人が宇宙にいる宇宙飛行士とほぼリアルタイムにやりとりできるなんて、昔は考えられなかったですよね。

2015年8月30日

・食べ物シリーズ。宇宙ラーメン!

2015年9月3日

 ・食べ物シリーズ(飲料)。宇宙ではお酒を飲めないそうです。残念。

2015年8月30日

 ・知的生命体に関する油井さんの見解。説得力があります。

2015年8月27日

 ・油井さんが進化した?ついにニュータイプになった記念日

まだまだ他にも面白いものもありますが、とりあえずこれくらいにしておきます。
油井さんのtwitterはこちら

油井 亀美也 Kimiya.Yui(@Astro_Kimiya)さん | Twitter

 

宇宙誕生の謎にせまるには?ヒントはどこにあるのか

■生命の誕生をひも解くには
生命の誕生を調べるには素粒子の話を避けて通れないようで、カブリ数物連携宇宙研究機構の機構長でもある村山斉先生の本を読んでいる。村山先生は素粒子物理学の第一人者である。

宇宙になぜ我々が存在するのか (ブルーバックス)

宇宙になぜ我々が存在するのか (ブルーバックス)

 


この本は、素人の僕にも解りやすい。素粒子物理学の基礎から丁寧に説明されていて、論理の展開も順を追っていて飛躍がなくストレスなく読み進められる。文章もどちらかというとやさしい語り口調で講演を聞いているような気分になってくる。知的好奇心を満たしてくれる一冊であることは間違いない。

■物質と反物質
さて、この本の中には、物質と反物質の話が出てくる。反物質は既に発見されていて、1932年に宇宙線の中から発見されている。また、人工的にも作られていて、1933年に電子の反物質である陽電子が作られている。反物質についての詳細は読んでいただければ分かるので割愛する。
また、次のようなことも書かれている。
ポイントのみ書くと、
・物質が作られるとき、必ずセットで反物質も作られる。これを対生成という。
・物質と反物質が出会うと共に消滅する。これを対消滅という。対消滅のあとにはエネルギーが残る。
・宇宙の始まりには、物質と反物質がそれぞれ10億個程度つくられた。
・なんらかの原因により10億個の反物質のうちの1個が物質に変わった。そのため、2個の物質が残った。それ以外は対消滅した。
・残った2個の物質が、星や銀河の素となった。それが今の銀河になり、我々人間になった。
なんと壮大なストーリーだと驚かずにいられない。
ここから、妄想コーナーになるが、
宇宙の始まりに反物質→物質という現象があったのであれば、それとは逆に物質→反物質という現象もあったのではないか。もっと考えを進めると、なんらかの拍子に物質と反物質の入替が起こったのではないか。つまりこういうことだ。我々の宇宙は「物質」のみで出来ている。それとは別に、「反物質」のみでできた宇宙が別にあるのではないか。いわゆる、パラレルワールドである。
こう考えると、宇宙は2つあるということになる。それぞれの宇宙は相手の鏡のようなものである。それぞれの世界は独立して存在するために互いに「行き来」することはできない。これはあくまでも、3次元的に「行き来」できないということで、もしかすると「行き来」できるもの(ある特定の素粒子?)もあるかもしれない。
世界が2つあるということで思い出すのは、陰陽のマークだ。黒と白(陰と陽)の2種類が絶妙に組み合わさり、一つの形(円)を作り上げている。

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  図.陰陽対極図

さて、物質と反物質は出会うと必ず対消滅する。ということは、2つの世界が出会った時、すべては消滅してしまうのだろうか。

 

ダークマターに関する新理論

ダークマターに関する新粒子の提唱
先日、ダークマターに関する新理論が発表された。発表したのは、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の機構長をも務める村山斉さんの研究グループだ。
 詳細はこちら(Kavli IPMU)
 記事はこちら(AstroArts)
これによると、ダークマターの候補としてSIMP(Strongly Interacting Massive Particle)という粒子を提唱している。この粒子は、湯川秀樹博士が1935年に提唱したパイ中間子によく似た性質を示すということだ。
従来のダークマター理論では、ダークマター同士はお互いにすり抜けるため、相互作用しないとされてきた。しかしながら、今回提唱されたSIMPはパイ中間子と同じように、強い相互作用をするとされている。
このSIMPを使ってダークマターのシミュレーションをすると、実際の観測事実と良く合うそうだ。ダークマターをSIMPとした場合は、銀河の中心部から周辺部にかけてダークマターがなだらかに分布する。これは実際の観測結果に近いとのこと。

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  図.ダークマター分布の比較(引用元:Kavli IPMU)

■カブリ数物連携宇宙研究機構
ところで、このカブリ数物連携宇宙研究機構というところはどんなところなんだろうと疑問が湧いたので早速調べてみた。
世界トップレベル研究拠点プログラムの一つとして、2007年度に設立された。東京大学柏キャンパス内にある。ちなみに、カブリというのは人名だそうで、ノルウェー出身の発明者だ。その方がカブリ財団というのを設立され、いろいろな研究施設に寄付をしている。さて、カブリ数物連携宇宙研究機構の目的は、宇宙への根源的な疑問に答えるために設立された国際的研究機関であるとのこと。世界各国からその道では一流の数学者、物理学者(理論・実験)、天文学者が集まっており、日々研究をしている。
真に宇宙の解明のために作られたような研究機関ですね。それぞれの分野のエキスパートが別々に研究するのではなく、互いに連携・刺激を受けながら自分の研究を極めていく、そんな所が素晴らしいです。
今後も注目していきたいと思います。

 

ロシア補給船打ち上げ成功とか新型ロケットH3とか

ロシアの補給船「プログレスM-28M」の打ち上げ成功のニュースがありました。ここ最近、ロケット打ち上げ失敗が続いていた中で、明るい話題となりましたね。あとは、無事にISS(国際宇宙ステーション)にドッキングしてくれることを願うのみです。前回は、ドッキング時に制御不能となってましたから。また今回の成功により、7月23日に予定されているソユーズ打ち上げにもはずみがついたことでしょう。ソユーズには油井宇宙飛行士も搭乗者に含まれています。
 油井さんのtwitterはこちら↓

油井 亀美也 Kimiya.Yui (@Astro_Kimiya) | Twitter


また、JAXAの新大型ロケットの名称も「H3」に決まりましたね。これは、これまでの「H2A」や「H2B」の長さを凌ぐ全長63mをもつということです。愛称も検討しているということなので、どんな愛称がつくのか楽しみです。

 

小惑星ケレスの光る点についての続報

少し前に、小惑星ケレスに光る2つの点が観測されたというのを書いた。

小惑星ケレスに光る2つの点が見つかる。そこに何があるのだろう。 - 宇宙や生命について考えたことを書いてみる


ケレスについては、ここ最近ずっと気になっている。探査機ドーン(Dawn)は2015年3月にはケレスの周回軌道に入っていて、写真を続々と送ってきてくれている。

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 写真.ケレスの光る点(引用元:NASAジェット推進研究所)
 以下、NASAのドーンのサイトの記事

JPL | Blog | Mysteries Unravel as Dawn Circles Closer to Ceres


これは、ドーンが2015年5月16日に撮影したもので、ケレス上空7,200kmから撮影したものである。前回の写真では大きな2つの点に見えたが、実はいくつもの点が集まっているようだ。まだ成分は分かっていないようだ。NASAもはっきりしたことはさらに分析してみないと分からないということで、公式な見解は今のところ無いようだ。

ケレスの話ではないけれど、実は似たような話は月でもあるらしい。
月面で謎の発行現象が何件も観測されている。それらは、「つかの間の月の現象(Transient Lunar Phenomena,TLP)」と呼ばれている。
 以下、参考リンク

第26号・月の話 -その2:月面の発光現象-

「月のミステリー 奇妙な発光現象の正体は?」(2015月4月9日) | コズミックフロント☆NEXT | NHK宇宙チャンネル


どうも、月内部にあるガスが何らかの原因で噴出し、それらに太陽光があたり光っているとのことらしい。
そうであるならば、ケレスにも同様のことが起きていると考えても不思議ではない。ただ、ケレスのほうは四六時中常に光っているようなので、そうだとするとガスがずっと噴き出している必要がある。死んだように見える星でも実は生きているんだということを思い知らされる。もう一つ思うのは、太陽系に存在する僕らにとって、太陽がいかに大切なものであるかということである。太陽の大きさは地球の約100倍(正確には109倍)である。僕らがよく目にする太陽系の模型は惑星が分かりやすいように大きくしてあるが、実際の縮尺で模型を作ろうとすると、でかい太陽ばかりが目立ってしまい、惑星は小さすぎてどこにあるか分からなくなる。(実際にそういった模型をつくってみるのも面白いかもしれない)
少し脱線したが、ケレスの話に戻ると、光る点が氷だとしてもガスだとしても、宇宙の解明に一歩近づくことは間違いないと思う。解明を待ちたい。
(おわり)

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